第43章  大戦の英雄たち

 ダイダロス基地で出発前の最終調整に余念がないアキレウス。MS隊を統一指揮する部隊長の立場に自分を置いているネオ・ロアノークがディアッカたちと共に帰還したことで予定していた人員が揃い、地獄のような猛訓練が続いている。
 ロアノーク大佐の上官にリンクス二佐が居るというおかしな状態になっているが、これに関してはネオがファントムペインの立場は微妙で階級も名目上のものなので気にしなくて良いと一歩引いていたので問題にはなっていなかった。
 むしろ問題になったのは、そのアルフレットがあっさりとネオがクルーゼだと勘付いてしまった事だ。元々強大な空間認識能力を持っているアルフレットだったが、その力で過去に戦場で感じていたクルーゼの気配とネオ・ロアノークのそれが同じだと気付いてしまった。ただいきなり口に出す事は無く、人に聞かれない場所でムウを連れて本人に確認を取っている。
 気付かれたことにネオは驚いていたが、バレた以上は隠す様子も無くあっさりと認めている。それを見てアルフレットは何とも面倒くさそうな顔になってムウを見返し、こっちも複雑な顔をしているのを見て知っていたなと察している。

「お前は先の大戦でジェネシスで吹き飛んだって聞いてたんだがな」
「そういう事にしてもらってね、現在はアズラエルの犬になってこうして再就職している訳だ。これでもかなりこき使われているよ」
「んで、お前が生きてるって事を知ってる奴はどこまでいる。どうやらムウは知ってたみてえだが、他にも居るのか?」
「アズラエルは当然として、私と一緒に来たレイは気付いたな。あとユーレクの姿もあったが奴も勘付くだろう」

 同じ人間だからな、とまでは声に出さずに口の中で呟くに留める。血縁という事で自分とムウがお互いを強く感じるように、同一人物だからレイやユーレクもお互いの存在を強く感じてしまう。だからユーレクは気付いている筈だ。
 それを聞かされたアルフレットは面倒な話だなと顔を顰め、そしてムウを見た。

「なんで艦長たちに知らせてねえ?」
「言える訳無いでしょ。世紀の大罪人が生きてここに居ましたなんて言ったら、どんな混乱が起きるか分かりませんよ。そんな事になったらマリューたちの救出作戦が潰れかねません」
「……ちっ、何ともやり辛くなるな」

 そう言われてはアルフレットも何も言えず、頭を掻いて自分を落ち着かせる。ムウがマリューを案じるように、自分も娘を案じているのだ。この作戦に参加したのも娘を助けに行くというのが大きい。しかも何時の間にかフレイに続いてステラまで行ってしまったと聞いて、あのバカ娘どもがと頭を抱えたのだ。
 苦虫を噛み潰すような苦衷の表情を浮かべるアルフレットに、ネオは楽しそうに話を続けた。

「あと、キラ君とフレイさんも私の事は知っているよ。何しろユニウス7で私に力を貸せと言ってきたのはキラ君で、その場にフレイさんも居たからね」
「何だと、フレイはそんな事一言も言ってなかったぞ?」
「最高のコーディネイターはナチュラルのラウ・ル・クルーゼに敗れたという事実を世界に刻みたい、それがキラ君の望みだったからね。フレイさんは口を閉ざし、アズラエルは裏からそれを世界に周知させたという訳だ」

 一応世界の為に犠牲になったのだよと語るネオに、アルフレットは今度こそ渋面を作り、そして重苦しい溜息を吐いて力を抜いた。

「ガキどもが世界の為とかご立派な事を考えやがって」
「だがおかげで世界のコーディネイター優越思想に亀裂が入ったのは確かだよ。限界まで強化したコーディネイターでもナチュラルの天才に敗北したというのは、他のコーディネイターや子供をコーディネイトしようと考える者たちに痛烈な一撃となった」

 どんなに金をかけてもナチュラルから生まれる外れ値の天才には届かない、とキラが身をもって世界に示したことで、コーディネイトする事が予算や危険性に対して割に合わない事と見做されるようになった。あるいは更なる研究を重ねれば超えていくのかもしれないが、すでに第3世代コーディネイターの出生率の問題などのコーディネイター特有の問題も世界に流されていて、子供をコーディネイトしても得られるメリットよりもデメリットが目立ってしまい、犯罪を犯してまで子供をコーディネイトするナチュラルは激減してしまった。
 一部の遺伝子治療を伴うコーディネイトは行われているが、これは例外として認められているし目的は強化では無く病気の根治なので問題は無い。
 第一世代コーディネイターの出生数は大戦後から増加数が急激に減少している。キラが目論んでアズラエルが世界に広めた陰謀は、見事に目的を果たしたのだ。ただそれはコーディネイター社会の将来に止めを刺すものでもあり、ブルーコスモス強硬派にとっては時間こそかかるがコーディネイターを滅ぼすという目標に近付ける陰謀でもあり、アズラエルはキラへの個人的な友誼だけではなく自分の望みとも最終的に合致する事から協力をしている。

 コーディネイターの頂点がコーディネイターを否定したという皮肉な話となったが、結果としてコーディネイター問題は時間はかかるが緩やかな解決に向かう事になった。この結果に対してアルビム連合を含む地球連合は特に反応を見せなかったが、プラントは深刻な問題と受け止めている。子供の自然増が見込めない以上、プラントのコーディネイター社会は人口ピラミッドの崩壊により急速に衰退する事が確実となったのだから当然だろう。ナチュラルとのハーフを受け入れれば出生率の改善が見込める事は分かっているが、一度それが進むと種のナチュラル回帰が急速に進むことが確実なので、能力至上主義のプラントでは受け入れ難い選択肢となっている。
 地上のコーディネイター国家であるアルビム連合はこの問題に対しては特に悩んでおらず、プラントでは生きていけない能力の低いコーディネイターも大勢住んでいるのでナチュラル回帰にも余り抵抗が無い。そこに拘るならプラントに行く方を選ぶだろうから当然だろう。実際アルビム連合のコーディネイターの多くは普通のナチュラルと大差無い程度の者が多く、コーディネイター用のMSを動かす事も出来ない者が多い。能力に優越感を持つような者が少ないので、ナチュラルと結ばれる者も増えているのだ。
 遠い将来、アルビム連合もナチュラル化が進んで他のナチュラル国家と変わらない国になると周囲には認識されていた。



 腹を括った駄目人間は時にとんでもない事をするとネオは厭らしい笑いを浮かべ、アルフレットは呆れた顔になってネオの言葉を聞いていた。

「まあ良い、あいつが何をしたかったのかは分かった。それで、あいつは今どこで何をしてるんだ?」
「悪いが、それは教えられない。何処から彼の生存が漏れるか分からないのでね」
「生きてたら全てが無駄になるか、そいつは分かるけどよ」

 ネオの言葉にアルフレットは複雑そうな顔になってしまう。言っている事は理解できるが、感情が付いていかないのだ。そのまましばらく沈黙していたアルフレットは、何とも面倒くさそうな顔になって改めてネオを見る。

「お前の顔面に銃弾をぶち込めればスッキリしするんだろうがな」
「言いたい事は理解するが、その機会はムウに譲ってやってくれ。誰よりも私を殺したいのはそいつなのだからね」

 なあ、ラミアス少佐とムウに問いかけるネオ。呼びかけられたムウは顔を紅潮させて苛立ちを見せていたが、行動に移す事は無かった。流石に艦内では銃器を携帯しているはずも無く、やれるとしたら拳で殴ることくらいだからだ。
 ムウが表情を歪めてネオを睨み付けて。それにネオが愉快そうに口元を歪めている。それにムウが口を開こうとした瞬間、いきなりネオの右頬に剛腕が叩き込まれてネオが吹き飛んでいってしまった。
 ムウが唖然として振り抜かれた筋骨隆々のアルフレットの左腕を見て、そして怒り顔のアルフレットを見る。

「た、隊長?」
「……ふう、やっちまったな。オーブの士官が地球連合軍の大佐を殴っちまった。こりゃ上に進退伺出さねえといけねえな」

 オーブ軍二佐のアルフレットが地球連合軍のノアローク大佐を殴り付けたのだ、明らかな事件だった。ムウもまさかアルフレットがこんな暴挙に出るとは思っていなかったのだろう、突然の事に動く事も出来ないでいる。
 そして殴り付けられて無様に床に転がっていたネオは体を起こすと、言っている事と裏腹にスッキリした様子のアルフレットに苦々しい顔をしている。

「まさか、いきなりこう来るとはな。もっと理性的な男だと思っていたのだが」
「おいおい、俺は昔から熱い男だぜ、知らなかったか?」
「私が知っているのは、外に聞こえてくる伝聞だけだったのでね」

 体を起こし、ネオは殴られた頬を手の甲で拭ってアルフレットを見た後、ムウを見た。

「ムウ、君の上官は思っていたよりも我が強いのだな」
「ああ、認識を改めるんだな。大西洋連邦上層部を実力で黙らせて意見を押し通すような人だぜ」
「それは聞いた事があるな、あのサザーランド大佐を黙らせたとか?」

 アルフレットの逸話として知られる話の中に彼の腕が貴重過ぎてあのサザーランドが除隊させることが出来ず要求を受け入れた、という話がある。それは凄い事なのだが、ムウは更にとんでもない話を追加してきた。

「その逸話だがな、何とコーディネイターと結婚するから奥さんには一切手を出すなって要求だったんだぜ。それをブルーコスモスに飲ませたって言うんだから凄いよな」
「……あの時代にそれは、凄いという言葉で済ませられる話かね?」

 コーディネイターへの弾圧が強まっていく時代に何をしているのだこの男はとネオは呆れと驚愕が混じった顔をアルフレットに向ける。それをサザーランドが飲んだというのも信じ難い話しだが、それほどにこの男の技量が惜しかったという事なのか。おそらくは自分と同じようにナチュラルの身でありながらコーディネイター用の機体を扱えるレベルの人間なのだろう。

「全く、恐ろしい男だな。1つ聞きたいのだが、何故私を殴ったのだ?」
「あん、そんなの決まってんだろ」

 ネオに問われたアルフレットは真顔でそれに答えた。

「手前が最後の最後であんな馬鹿な事をしなけりゃ死なずに済んだ奴が大勢いたんだぞ」
「生憎と、我々はあれを人類に対する正当な報復だと思っているぞ。誰にも認めてもらおうなどとは思わんし許しも請わん」
「ああ、ザルクの事情は俺も聞いている。お前らが時代の犠牲者だって事もな。だからこれは俺個人の恨みの分でしかねえよ」
「……そう言われては、受け入れるしかないな」

 大儀とかもっともらしい御託を並べられるなら鼻で笑ってやろうと思っていたが、個人的な恨みを晴らしただけだと言われては何も言い返せない。それは自分たちと同じ動機だからだ。それはネオには否定する事の出来ない感情だった。

「もう1つ聞きたいのだが、もしキラ・ヤマトが帰ってきたらどうする?」
「そんなの言うまでもねえ、と言いたいんだが、俺は何もしねえよ」
「ほう、何故だね。てっきり一発ぶん殴るというのかと思ったが?」
「俺がそんな事しなくても、もし帰ってきたら生きてるのを後悔するような目に合わされるさ。カガリ嬢ちゃんたちが許す訳ねえからな」

 多分顔を出したら拷問じゃ済まないぜと顔色を青くして身を震わせるアルフレット。事情を知っているならフレイは感動の再会シーンを見せてくれるかもしれないが、カガリやミリアリアが確実に病院送りにする。その凄惨な現場を見てトールとサイとカズィとシンが身を寄せ合って怯えている姿が目に見えるようだ。
 同じものはムウに見も見えたのか、とても沈痛な表情をしている。まるで戦死した仲間の話を聞かされた時のようだ。

「キラ、生きていられますかね?」
「オーブを取り返した時の告白騒動の時は医者に何で生きているのかと首を傾げられるほどだったからな」

 あいつは戦場の外の方が死にそうな目に合ってたんじゃねえのかと真顔で言うアルフレットに、ムウもそうかもしれないと大きく頷いている。そんな2人の話を聞いてネオは呆れを通り越して酷く疲れた顔になって上を見上げた。

「キラ君、君も相当に苦労していたのだな」

 あのヘタレはどうかと思うが、あの話の様子では何度も戦場とは関係無い所で死線を潜ってきているようだ。彼もまた苦労の多い人生を歩んできたのだなと知って、ネオは少しだけキラに同情してしまっていた。

 そして3人でキラの無事を祈るという何とも言えない時間が流れた後、ネオはアルフレットに殴った事は表沙汰にしないからこれっきりにして欲しいと伝えて、2人の前から立ち去り、その足で民間居住区にあるホテルのアズラエルが部屋を訪れていた。アズラエル財団の傘下のホテルであり、アズラエルが泊っているフロアはVIP用というだけでは無く襲撃などへの警戒を含めて強固に守られた特別区画となっている。部屋に入るまでに幾つものセキュリティと警備兵の検問を抜ける必要があった。
 ようやく通された部屋の中では、アズラエルがソファーに腰掛け、その前に投影されたモニターに映っている男と何かを話している。迂闊に聞いては面倒になると思って少し距離を置いて待っていると、話を終えたのかアズラエルの前のモニターが消えて室内に静寂が戻った。そしてアズラエルは一息つくとネオの方を向き、悪かったねと言って自分の向かい側のソファーを勧める。そしてソファーに腰を降ろした彼の前にワインを次いだグラスを滑らせた。

「何か報告ですかね。貴方が私に内密の話があるとは?」
「……プラントで旧友の元を訪れていたのだが、少々面倒なものを幾つか知ったのでね」

 出されたワインを一口飲んで、ネオはプラントで存在を知った恐るべき存在の事を語って伝えた。ネオの話に耳を傾けていたアズラエルは暫しの間黙考し、そして深く重い溜息を付いた。

「アコード、ねえ。キラ君を超えるコーディネイターの最新型ですか。まさかそんな化け物が私の情報網を潜り抜けて作られていたとは」
「私も存在を知らなかった。ディスティニープランは聞かされていたが、それ用に調整された専用の管理ユニットが創造されているとはな」
「特定の目的に特化したコーディネイターという意味では既に戦闘用コーディネイターというものがありましたが、社会システムの管理用のコーディネイターですか。そのうち色んな分野に特化したコーディネイターが作られたりするんですかね?」
「有り得ない事ではないだろうな。いずれは政治ユニットや指揮ユニット、科学ユニットなどが作られるかもしれんぞ」
「……今まで考えた事もありませんでしたね。ですが、それは冗談ではすみませんよ。それじゃまるで人間の産業機械や制御コンピューター化じゃないですか」

 元々、コーディネイターにはそういう側面が無い訳ではなかった。初代のジョージ・グレンからして科学者の暴走の産物のような物であり、その後は親のエゴで様々な調整が施されたデザイナーズベイビーが生み出されている。それを考えればそのアコードもコーディネイターという存在の枠内ではあるのだろうが、親のエゴを通り越して社会運営用の管理システムとして調整されたとなるとそれはもう子供ではなく、ただの部品だ。
 わざわざそのようなコーディネイトを望む親が複数居たとも思えないから、恐らくはキラと同じように人工子宮で生み出された研究個体なのだろうが、これがコーディネイターの行き着く先だったというのだろうか。

「結局、何処まで行っても彼等は科学者の玩具でしかない、という事なんですかね?」
「さあな。生まれるのではなく製造されるようになった時点で、人間はその事を問う資格を失っているのではないかと思うがね」
「自分には人類を裁く権利があると叫んだ人は言う事が違いますねえ」

 アズラエルは困り顔で目の前の人類全てに復讐しようとした男を見ている。ブルーコスモスとしてコーディネイターの排斥を唱えた事もあるアズラエルだが、それでもまだ人間を信じていた。戦争が終わって、キラに協力して作られた物語を広めて世界は少しだけ良い方向に向かったように思っていた。だからロゴスも動かしてジブリールのような危険人物を押さえ込んで、少なくとも表向きには世界には穏やかな時代が訪れていたのだ。
 まあ舞台裏ではファントムペインによる危険な組織の狩りだしや地球連合軍による海賊や旧ジャンク屋の掃討作戦などの血なまぐさい戦いも続いているのだが、それが社会に影を落とすような事は無い程度にまでは世界情勢は安定していたのだ。
 そしていやや酒が回ってきたころになって、ネオはふと思いついた事をアズラエルに尋ねてみた。

「そういえばアズラエル、ふと思ったことがあるのだが」
「なんです?」
「君は、何故コーディネイターを強化しなかったのだ?」
「…………」
「コーディネイターを強化した例としてはユーレクが居る。奴ほどの化け物にはならないかもしれないが、素体をそれなりの力を持ったコーディネイターにしていれば最高のコーディネイターに劣らぬ化け物を量産できたと思うのだが?」

 最高のコーディネイターに劣らぬ、という点に偽りはない。ナチュラルを強化した3人のブーステッドマンはキラに迫る強さを見せていた。ならばコーディネイターをブーステッドマンにしていればより強力な戦力に出来た筈なのだ。しかもキラと比べれば遥かに簡単で、しかも低コストで生産する事が可能となる。倫理さえ気にしなければ非常に効率がいい筈だ。
 商売人として動くアズラエルならばこちらを採用しても良さそうなのに、何故最高結果を採用しなかったのかを尋ねてくる。それに対して、アズラエルは少し不機嫌そうな顔になった。

「やらなかった訳が無いでしょう、一応試作はしましたよ」
「ほう、それは初耳だ。実用化されなかったという事は、何か問題があったのかね・」
「問題どころではありません。コーディネイターは身体強化を受け付けないのですよ」
「身体強化を、受け付けない?」

 どういう事かねとネオが問う。

「コーディネイターの肉体はナチュラルより強靭だ、というのは常識だと思っていたが、耐えられないと?」
「耐えられないと言うより、適合しないのです。コーディネイターはどういう訳か肉体を他の物に置き換えると拒絶反応を起こしまして。これは強化に限らず、通常の移植手術でも見られますね。最も全てという訳でも無く、適合する場合もあります。コーディネイター間でなら多少は移植は上手くいき易いらしいですね」
「拒絶反応が起きるという訳か」
「担当した科学者の見解では、ジョージ・グレンの設計図に合わせて画一化された遺伝子調整をした為に多様性を失った事から来る弊害が出てしまったのではないかという事ですが、残念ながらそれを証明するほどの資料はありません。調整体に関する資料もある程度は入手していましたが、ユーレクを作る際にもその辺りは相当に注意していたようです」
「……本当にこの世界は腐り切っているな」

 何処を見ても胸糞の悪くなるような現実しかないこの世界に、ネオは吐き気を催していた。やはりあのまま人類を滅ぼすべきだったのだと考えてしまうが、自分にはもう同じことを行うだけの力も時間も残されてはいない。
 最もそれを口にすれば目の前の嫌味な男に何を言ってるんだお前はという顔をされるのが分かり切っていたので、表面的には皮肉な笑みを浮かべるだけに留めている。最も悪い意味で有能なこの男は目の前に座る部下の内心などお見通しなのか、何とも腹立たしい笑みを顔に貼り付けて言いたい事があったら言っても良いんですよとほざいているが。

 雇い主の揶揄うような視線に堪えかねたネオは不機嫌そうに視線を窓の外へと向け、そこに面白い物を見てしまった。そこではMS隊同士の実戦形式での演習が行われていたのだが、地球連合軍のウィンダムは不思議でもなんでもないが、相手をしているのはザフトのインパルスやザクウォーリアであった。地球連合の基地上空でザフトのMSが部隊レベルで戦闘行動をしているなど普通は有り得ないが、今はそのあり得ない事が起きる条件が1つだけある。
 かつての部下たちが訓練をしているのだと理解したネオは、相手のウィンダムから感じる気配に皮肉では無く本心からの言葉が漏れてしまった。

「あれは……流石にディアッカたちが可哀想になるな」

 3機のウィンダムから感じる気配の全てに、ネオは覚えがあった。その中の1つは間違いなくムウの物であり、そして他の2機はムウが連携から置いていかれるような物凄い動きをウィンダムで見せている。それはウィンダムの限界性能がどれほどのものであるのかを見せ付けるような凄さで、流石はクライシスが原型になっているだけはあると思わせるものだった。
 そしてそのウィンダムの性能を限界まで引き出すような化け物にもネオはとても心当たりがあった。どちらも自分が知る限り、最強最悪のパイロットだからだ。

「ユーレクとアルフレット・リンクスだな。あの2人と組まされるとは、ムウも可哀想に」

 多分、今までの人生で初めて本気でムウの境遇に同情しているネオ・ロアノーク大佐であった。





 ダイダロス基地の上空を3機のウィンダムが駆け抜けていく。その3機を狙って2機のブラストインパルスが砲撃を加えているが、3機のウィンダムはそれを全く気にしていないかのように飛んでおり、まるで脅威に感じていないかのように見える。いや、正確には1機だけが遅れていて、先行する2機に必死に追いつこうとしているように見える。だが叩き込まれる砲撃に邪魔されて大きく回避運動を繰り返していて、先行する2機との距離は開いていた。
 とはいえ、置いていかれているウィンダムの動きが悪い訳では無い。そのウィンダムを狙っているブラストインパルスを使っているのはザフトのトップエースの1人、ディアッカ・エルスマンであり、彼の砲撃はアスランやイザークですら全力の回避を強要されるほどの正確さと経験から来る予測射撃をしてくるからだ。
 そのディアッカの射撃を悉く回避しているのだ、あのウィンダムのパイロットは間違いなくエースである。先行する2機が異常なのだ。

「シット、エンディミオンの鷹は健在ってか!?」
「ディアッカさん、そっちよりこっちを手伝ってくださいよ、さっきから相手にされてないんですよ!」

 ルナマリアが先行する2機を撃ちまくりながら文句を言っている。ディアッカの砲撃はムウを足止め出来ているのに、自分の砲撃は何の効果も上げていないように思えるのだ。これでは不貞腐れてしまうのも無理は無いだろう。
 とはいえ、ディアッカとしてはそちらを砲撃しても意味があるとは思えなかった。その2機の片方はあの化け物ナチュラルのアルフレット・リンクスで、もう一方はオーブで自分たちの総力を相手取って互角以上にやって見せたユーレクだからだ。どちらもどうにか出来る相手ではない。

「ルナ、そいつらの相手はアスランの仕事だぞ」
「ザラ隊長は居ないでしょ!」
「ああ、だからそいつらを止めるのは無理って事だ」
「やる前から諦めないでよ!」

 何とも後ろ向きな事を言うディアッカにルナマリアが怒って吠えるが、ディアッカは涼しい顔だった。あの2人の強さは大戦時に骨身に染みて思い知らされている。あれは倒すべき敵ではなく、ゲームなどに出てくる破壊不可オブジェクトの類だと思った方が良いのだ。
 なんだか悟っているディアッカにルナマリアが食って掛かって通信回線が騒々しくなっているが、そんな騒ぎを聞きながらレイは何処かホッとしていた。何時もなら自分に食って掛かってくるルナマリアが今日は別の相手に絡んでいる。おかげでレイの心労を溜め込み過ぎた心には久々に穏やかな時が訪れていた。

「ありがとうディアッカさん、おかげでルナから少しの間解放されます」

 化け物相手の演習中だというのに、レイにはとても穏やかな時が流れていた。これまでのルナマリアとの付き合いがどれほど大変だったのかを物語っていた。ただ1つ問題があるとすれば、今は演習中で彼の呟きは通信に乗って味方機や母艦に届いているという事だろう。
 レイの呟きを聞いてしまった艦橋スタッフたちはその顔に同情の色を浮かべ、ザクを使うシホ、ジャック、エルフィは苦笑いを浮かべている。あの2人の関係は特務隊時代から周知の事だったから。

「前に見てたけど、レイの苦労は今も変わらずだね」
「言わないでくれエルフィ、最近は本当にきついんだ」
「そんなに辛いならルナの面倒見るの止めればいいのに」
「ああ、だから移動の申請を出しているんだ」

 既にルナマリアから逃げる算段はしていると言うレイに、エルフィは真面目過ぎると壊れた時の反動も凄いなあとちょっと感心していると、ルナマリアの砲撃を受けているウィンダムの片方に向かっていくフォースインパルスが見えた。

「あれは、レイの同僚の確かアグネスだっけ?」
「そんな名前だったな。あの2機に挑むとか、そんなに腕に自信があるのか?」
「どうなんでしょう、ザラ隊長やグリアノス隊長級のパイロットならそれなりに知られている筈ですけど」

 ジャックが凄いなと感心し、シホがそんな凄腕の話は知らないと言う。するとレイがシホの言葉を肯定してくれた。

「ああ、アグネスの腕はルナと同じくらいだ」
「では、何故で1機で?」
「あいつは、あの2人を知らないからな」

 その言葉に、3人は納得してしまった。ユーレクだけでも特務隊の総力とやり合えるくらい強いのだ、1機でどうにか出来る訳が無い。そしてその予想通りにアグネスのインパルスはビームライフルを放ちながら距離を詰めていったのだが、反撃のビームを食らってあっさりと撃墜判定を貰っている。
 あっさり返り討ちにあったアグネスに4人がやっぱりと思っていると、ルナマリアからパニックを起こしたような叫び声で救援要請が来た。

「ちょ、ちょっと誰か助けて、こいつ頭おかしい!?」
「どうしたルナ、そんなに慌てて?」
「こいつ弾幕の中を突っ込んできてるのよ!?」

 ルナマリアのブラストインパルスが撃ちまくって弾幕を形成しているのに、その弾幕の中に突っ込んできて小刻みに小さく回避を繰り返しながら距離を詰めてくるウィンダム。どうしたらそんな事が出来るんだとレイたちが驚いていると、距離を詰めてきたウィンダムのガウスライフルでルナマリアのブラストインパルスは機体を滅多打ちにされてしまった。それでもVPS装甲の強靭さがかろうじて撃墜判定になるのを食い止めていてルナマリアは逃げようとしたのだが、退く時間を貰えずビームサーベルで胸部を破壊されて撃墜判定されてしまった。
 あっさり2機のインパルスを仕留めた2機のウィンダムが合流し、同時にレイたちの方を見てくる。

「さてと、次はどうするねリンクス二佐?」
「訓練だってのに積極的に仕掛けて来ねえ腑抜けどもだ、きっちり教育してやらないとな」
「ならば行くか、私はあのプロヴィデンスモドキをやらせてもらうぞ」
「なら俺はザク3機の相手をしよう」
「その後で最後のブラストインパルスか?」
「ああ、あいつが一番凄腕みたいだからな」

 ターゲットを確認し合うと、ユーレクとアルフレットのウィンダムは同時に散ってそれぞれの狙った目標へと向かっていった。
 ユーレクに狙われたレイはかつてクルーゼが使っていたプロヴィデンスの機能をシルエットシステム化したドラグーンシルエットを使用している。プロヴィデンスほどに大量のドラグーンを扱える訳では無いが、地球連合軍が運用するフライヤーに対抗する事を目的とした試作シルエットシステムだ。ベースはフォースシルエットで、ドラグーンを戦術に組み込んで1機で敵中に突撃して多数の敵を粉砕して戻って来る強襲用MSとして仕上がっている。
 性能そのものはプロヴィデンスのデータがあっただけあって満足する物があり、12基のドラグーンを運用できるフォースシルエットと思えば悪い物でもない。プロヴィデンスの背負っていたドラグーンのコンテナをドラグーンの数を減らして小型化していて、コンテナに取り付けているドラグーンは向きを変えることでビーム砲として使用する事も出来る。
 このシルエットはテストをしたアスランからの評価も上々で1機で多数を相手にするというザフトの要求にも良く合っていた。ただ大きな問題として、ドラグーンを扱えるような空間認識能力を持つパイロットがコーディネイターには極めて少なかった。単純に才能に類する分野の為か、人数が少なかったザフトのパイロットには適合者が居なかった。動かせるだけなら僅かに見つかっていたのだが、実戦で扱えるような者はアスラン以外にはレイしかいなかった。
 アスランをテストパイロットに選んだのはデュランダル議長だったそうで、何故かはアスランがドラグーンを扱える才能があるのを見抜けたのかは謎とされている。

 性能そのものはテストをしたアスランも含めて誰もが高く評価したが使えるパイロットが居ないというドラグーンシステムであったが、プラントの技術陣はドラグーンを地球連合のフライヤーのような自動化と、必要な空間認識能力のハードルをより下げたシステムの開発に取り組んでいる。
 ただ、この分野では地球連合軍の方が遥かに進んでおり、ザフトが求めているシステムは地球連合では既に実用化している物だ。ザフトがドラグーンを投入するよりずっと前からガンバレルシステムを部隊規模で運用し、その改良に努めてきた地球連合各国にとって、空間認識能力者とガンバレルシステムは珍しくはあったが通常戦力の1つとして扱われている。その果てに出てきたのがMSや艦艇の護衛機として運用されるようになった無人機のフライヤーで、空間認識能力者がコントロールシステムを活用すればガンバレルのように扱うことが出来てより高度な運用が可能となるという便利なシステムだ。
 ドラグーンと違って小型MAと呼んだ方が良いサイズであり、奇襲性は皆無であるが攻防性能と機動性は遥かに上回っており、この種の兵器に対する両軍の求めている要素の差となっている。

 突っ込んできたユーレクのウィンダムに対してレイは6基のドラグーンとビームライフルを向けて一斉射撃を加えたが、ユーレクは薄く笑うとレイから少し距離を取った。そして通信回線を開いてレイに声を掛ける。

「どうしたレイ、ドラグーンを砲台にするだけでは折角のドラグーンが泣くぞ?」
「挑発しても無駄だ、貴様にドラグーンが通用しない事は分かっている」
「クルーゼはあれだけやれたのだ、君もやれると思うぞ」
「……俺には、ラウ程の素養は無い!」

 周囲に聞かれたらかなり不味そうな事を語る2人。どちらもクルーゼと同じくアル・ダ・フラガのクローンであり、それぞれに思う所はある。とはいえどちらもクルーゼでは無く、別に人類への復讐など考えてはいない。それどころかユーレクはクルーゼの計画を直接阻んだ事さえある。
 レイはクルーゼには懐いていて、プラント本土戦ではザルクに合流するつもりでもいたのだが、ルナマリアを見捨てられずにザルクに合流するタイミングを失ってそのままズルズルとザフトのパイロットとして働き続けている。周囲からの評価も高く部隊1つを任されるまでになっている。最もレイ本人は部下になったルナマリアやアグネスのせいでストレスの溜まる生活をしており、全く喜んではいなかったのだが。

「素養では負けていないと思うが、今はドラグーンを出した方が良いと思うぞ」
「ラウのプロヴィデンスすら翻弄した貴様にドラグーンが通用するとでも!?」
「通用するしないではなく、これは訓練だ。積極的に使って課題を炙り出すべきだと思うのだがな」

 どうもレイはユーレクに対して何か含むものがあるらしい。クルーゼの計画を阻止したことを恨んでいるのかもしれない。だがこれは訓練だと言われたことで頭が冷えたのか、レイは3基のドラグーンを射出させてユーレクのウィンダムを囲むように動かしていく。だが、余り慣れていないのだろう。ドラグーンの動きはこの種の兵器を使い慣れているムウやフレイに比べると直線的で、動きにも鋭さが無い。
 自分を囲もうとするドラグーンを見てユーレクの表情に僅かに憐憫が混じる。ドラグーンを生み出したプラントであったが、運用に関する実績は殆ど無かった。現在使用しているのはレイだけであり、彼はこれからデータを蓄積して後進に繋いでいくことが求められている。せめてクルーゼが健在であればレイに教えてやれたかもしれないが、奴は立場と名を変えて他人の振りをしている。まあレイにはすぐにばれてしまっていたのだが。

 自分を囲むように展開してビームを放ってくるドラグーン。その射撃を余裕をもって回避しながら、ユーレクは暫くレイのドラグーン操作に付き合ってやる事にした。クルーゼにとってもそうだったのかもしれないが、ユーレクもレイの事は自分よりずっと上手くやっている甥っ子のように見ていたから。



 その頃、アルフレットに襲われていたシホ、ジャック、エルフィは全力で逃げ回っていた。先の大戦でアルフレットの恐ろしさを知っていた3人は真っ向から戦っても勝負にはならないと判断し、連携を取りながらアルフレットと距離を取ってひたすら逃げ回るという戦い方をしている。
 最初から逃げに徹する相手を仕留めるのは簡単ではない、筈なのだが、アルフレットは3人を逃がしてやるつもりなど無かった。

「おら、訓練で逃げ回ってんじゃねえよ。死ぬ訳じゃねえんだからかかってこい!」
「そんな事言われても!」
「私たちは前の大戦で二佐の戦いを見てますので」
「何をしても一撃入れられる気がしません!」

 ジャック、エルフィ、シホの泣き言を聞かされたアルフレットはそういやこいつら俺たちと何度も戦った部隊の奴らだったなと思い出して怖がるのも無理ないかと納得しかけたが、すぐにそうじゃないと思い直して通信機に怒鳴りつけた。

「言いたい事は分かったがそれじゃ訓練にならねえだろ。おらトラウマを克服してかかってこい!」

 接近戦でアスランのジャスティスを相手に出来る化け物相手に無理を言うなと3人は思ったが、それで終わってくれるわけでもなく3人はアルフレットを相手に力を合わせて必死に逃げ回り続けるのであった。なお、アルフレットの訓練を受け続けているオーブ軍のアサギたちからは3機のザクでアルフレットを相手に持たせる事の出来ている3人の強さに驚愕していたりする。



 この戦いを観戦していたナタルは、相変わらずの強さのアルフレットとユーレクに懐かしささえ抱いていた。かつての自分たちのMS隊指揮官殿と、敵としてアークエンジェルのエースたちを翻弄してきたユーレクのタッグという反則のような教官の相手をさせられているザフトのパイロットたちは可哀想ではあったが、この艦に集まったパイロット達の教官役が出来そうなのはもうあの2人くらいしかいない。
 ムウはディアッカと1対1でやり合っているが、こちらは良い勝負をしている。ムウがガンバレルやフレイやーを使っていれば

「2人とも流石と言うか、凄まじいな。リンクス二佐もあれなら現場に復帰しても問題無いだろうに」

 ナタルの感想に、オーブで事情を聞かされているサイとカズィが説明してくれた。

「二佐ももう年で長時間の操縦は体力が持たないんだそうです」
「トールも言ってましたけど、昔に比べると流石に衰えが見えるそうですよ」
「……あれでか?」

 衰えが見えて体力が続かないような体でザフトのエース級を圧倒しているというのだから恐ろしい。実際オーブ軍でも大戦時のアルフレットに鍛えられてきたトールが相手をしてやっと衰えが見えるというくらいで、他のオーブパイロットには違いが分からない程度の差であったが。
 アルフレット本人は同格の機体でキラやアスランを相手にしたら勝てないかもななどと笑いながら冗談のように言っているのだが、本人はそれを本気で言っている。全力を出せるうちに短期決戦で押し切れれば勝てるかもしれないが、キラもアスランも簡単に押し切れる相手ではない。そして時間がかかるほどにアルフレットは不利になっていく。対して仮にアスランが相手とすれば、彼は4年前より成長して以前より体力的にも精神的にも成長した全盛期に踏み込んでいる。アスランはただ粘るだけでアルフレットに対して有利になっていくのだ。

 この衰えを自覚したからこそ、アルフレットは現場から身を引いて教官へと転身した。生涯現役が夢であったが、それは叶わなかったらしい。
 とはいえ、衰えてなお比較対象はキラやアスランであり、ムウではまだまだ勝てる算段が付かない化け物である。オーブ軍においても最強のパイロットであり、もし仮にオーブが戦争に巻き込まれることがあればアルフレットの心情など構う事無く現場に戻す事をユウナは決めていたりするのだが。
 ユーレクがレイのドラグーンお相手をしてやり、アルフレットが3機のザクを仕留めていくのをモニター上で確認していたナタルに、パルが通信が来たことを伝えてきた。

「艦長、オーブ軍の大型輸送艦から通信が送られてきました」
「オーブ軍からだと、これ以上の派遣部隊の話は聞いていないが?」

 怪訝そうに問い返すナタルに、パルも戸惑い気味に答える。

「それが、オーブ軍より追加の機体とパイロットを運んできたそうです」
「ユウナ氏がカガリを心配してお節介をしてきたのか?」
「どうなんでしょう。でも、MS数機の輸送で大型輸送艦を使いますかね?」
「それはそうだな、一体何を運んで来たんだ?」

 オーブが何を考えているのか分からず、ナタルは首を傾げてしまった。とはいえオーブからの折角の好意を無碍にするのも悪いと思い、ナタルは輸送艦と会合するための航路計算をするようにノイマンに命じる。これでこの件は一旦ナタルの頭から離れたのだが、この直ぐ後に彼女はこの判断を後悔する事になる。


ジム改 遂に派遣部隊の陣容が揃いました。
カガリ アルフレットって衰えるのか?
ジム改 そりゃ人間だし年には勝てないよ。
カガリ でもジャックたちには無茶苦茶怖がられてるな。
ジム改 そりゃ大戦経験したザフト視点で見ればアルフレットって悪魔のような存在だもの。
カガリ そんなにヤバかったっけ?
ジム改 主人公視点だとモブだけど、メタ視点だと大戦全期間に渡ってアムロが暴れてたようなものだから。
カガリ それは……確かに悪魔だな。
ジム改 行く先々でザフトに痛撃を与え続けた災厄のような存在だったのだよ。
カガリ あの3人はその幻影に怯えてるんだな。
ジム改 いや、あの3人は実際にアスランやアンテラが苦戦してるのを見てるから。
カガリ ああ、経験者だったか。
ジム改 艦隊側でも徐々に情報が広がりだしています。
カガリ 実は一番情報から離れてるのナタルなのでは?
ジム改 本人は超能力とか無いから教えて貰わないと気付けないのよね。
カガリ まあ、知らなくても問題は無いんだろうけど。
ジム改 マリューたち命に係わるからナタルも飲み込んでくれるかもしれないけどね。
カガリ 最初の頃だったら絶対にしない選択だな。
ジム改 ナタルも色々変化したからね

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