第4章 旅路の始まり

 大西洋連邦技術試験艦オニールの艦橋で、マリューは呆然としていた。それまで間違いなく宇宙空間を航行していたはずなのに、強い光を見たかと思ったらいきなり目の前が地球の大気圏内になったのだから。

「一体、なにが?」 

 起きたのか、と思う間もなくいきなり衝撃が艦を襲った。今度は何だと報告を求めると、航海長が緊急事態を告げてくる。

「艦長、不味いです。どういう訳かは分かりませんが本艦は宇宙航行モードで大気圏内に居るようです!」
「大気圏内モードへの変更は!?」
「とても間に合いません、航行不能です!」

 航海長は部下に指示を出しながら必死に姿勢を制御しようとしている。だが大気圏内で飛行するためのモードでなければ姿勢制御などまともにできるわけはない。
 このままでは墜落する、そう叫ぶ航海長にマリューは近くに着水できるポイントは無いかを確認し、少し行けば海に出ると報告が来る。

「よし、なんとか海上に着水させなさい。総員対ショック姿勢。海中に沈むだろうから艦外に開くハッチは全て閉鎖!」
「了解!」

 とにかく艦を海まで持たせようと必死に航海科の部下たちが姿勢を維持し、艦を前へと進ませる。その努力はどうにか実を結び、オニールの船体は海面へと滑り込んでそのまま海中へと沈んでいった。沈んだ船体は海底へとぶつかり、海底の地形を削りながらどうにか停止した。
 艦が止まったのを確認してマリューは額の汗を拭った。艦橋のクルーも椅子に体を固定していたおかげで転倒は免れていたが、誰もがまだ緊張状態であった。
 艦橋内を見回したマリューはすぐに艦のダメージ調査と負傷者の確認を指示し、併せて航海長と通信長に現在位置の確認と救援要請を出すことを命じた。

 暫くして艦内からの報告がまとまり、格納庫で固定されていたウィンダム1機が衝撃で固定具が損壊して転倒し、整備長を含めて整備兵に複数の重傷者が出た事、転倒したウィンダムが中破した事が判明した。格納庫以外では軽症者は多数出たがそれで収まり、艦内への浸水も無いという報告を受けた。それを聞いてマリューは死者が出てないだけまだマシかと考えただが、続いてやってきた通信長の報告に困惑を隠せなかった。

「通信が繋がらない?」
「はい、傍受は出来ますし送信も一応出来ている様なので故障ではなさそうなのですが。あと暗号通信らしきものも捕らえられているのですが本艦では解読できませんでした」
「暗号の解読が出来ないって、地球連合の暗号じゃないの?」
「少なくとも、本艦に登録されている復号データには適合しない暗号です。未知の暗号が無いとは言いませんが、その全てが解読不能というのは流石に解せません」
「少なくとも大西洋連邦の暗号は一切受信出来てないってことだものね」
「本土が何処かの攻撃を受けて一瞬で壊滅したとしても、他の部隊間の通信などは見つかるはずなのですが」

 何がどうなっているのか分からない、という通信長にマリューは考え込んでしまう。流石に大西洋連邦の全てが一瞬で滅ぶなどありえない。だがそう考えないとこの状況を説明できない。一体何が起きたのかと考えていると、今度は航海長が訳が分からないという顔で報告に来た。

「艦長、現在位置なのですが妙です。座標特定用の基準電波が受信できません」
「電波灯台が停止しているっていうの?」
「そうとしか思えません、衛星電波も同様です。ニュートロンジャマーの障害も異常に強力で、まるでプラント大戦の頃のようです。現在位置は光学の天体観測によるおおよその推定となります。」
「今はしょうがないけど、一体どうなっているのよ?」

 どうやらこの艦は南欧の海沿い、おそらくはカスピ海沿岸に落ちたようだ。だが助けを求めようにも何かがおかしく、マリューは暫くここに留まって状況を把握することを決めた。一体何が起こっているのだろうか。



 
 夢から覚めたフレイがゆっくりと半身を起こす。まだ周囲は薄暗かったが、交代時間には少し早いようだ。

「あれ、何か変な夢を見ていた気がするんだけど?」

 何か不思議な夢を見ていた気がするのだが、なんだったかが良く思い出せない。誰かに何かを訴えかけられていたような気がするのだが、少し思い出そうと悩んでみたがやはり思い出せず、まあ夢などそんな物かと思い直して立ち上がり、火の番をしているカガリへと歩み寄った。

「カガリ、ちょっと早いけど変わるわ」
「なんだ、まだ寝てていいぞ?」
「ちょっと早く目が覚めちゃって」
「疲れてるんじゃないのか?」
「かもしれないけど、なんだかもう寝れそうになくて」

 焚火の傍に腰を降ろしてフレイが困った顔で言う。それを見てカガリはまあそういう事ならと火の番を変わってもらって自分の毛布に包まって寝ることにした。残されたフレイは折角だから朝食の準備でもするかと思ってアスランの持ってきた背負い袋から必要な道具を漁り始めるのだった。



 翌朝を迎えたイングリッドは良い匂いを嗅ぎ取って目を覚ました。ゆっくりと体を起こし体の状態を確かめる。すでに頭の流血も止まり、体のあちこちから打撲傷と思われる痛みは来るが我慢できないほどでは無い。自分を助けてくれた4人の応急手当は中々のものだったようだ。
 そして匂いの出所に視線をやると、フレイと名乗っていた赤毛の女性が焚火にかけた鍋で何かを作っているようだった。
 彼女は起き上がった自分に気づいたのか、鍋の傍から立ち上がってこちらに駆け寄ってくる。

「おはよう、体の方は大丈夫かしら?」
「ええ、大丈夫そうです。昨日はありがとうございます」
「良いのよ、困ったときはお互い様だから」

 フレイは微笑むと顔の前で手を振って気にしないでという。その様子にイングリッドは自分が安堵していることに気付いたが、そう感じている自分に驚いてもいた。自分が安心するなどいつ以来だったか思い出せないほどなのに。
 イングリッドが目を覚ましたのに続いて他の3人も目を覚ました。カガリとトールはフレイが料理をしているのを見て顔を蒼褪めさせているが、アスランは特に気にすることなくフレイの作ったスープを貰って口に運んでいる。

「食料に入ってた固形スープか」
「それ以外にやりようがないでしょ、野菜とか無いんだし」 
「まあこの状況だからな、暖かいものが食えるだけありがたい」
 
 アスランが問題なく食べているのを見てカガリとトールも恐る恐るフレイのスープを口にし、しばらくじっと待って体に異変が無いのを確かめるとお代わりを要求した。それを見たフレイがこめかみを引くつかせるが、口に出しては何も言わずお椀に新しいスープを入れてやった。
 そしてフレイはスープを入れた椀をイングリッドにも差し出した。それを礼を言って受け取ったイングリッドはゆっくりと口に運び、喉を通っていく暖かい感触に頬を緩めてしまう。

「暖かい……」
「寒いから体を温めないとね。お代わりが欲しかったら言って頂戴」
「こらトール、お前食い過ぎだ自重しろ!」
「こういうのは早い者勝ちなんだよ」
「お前自分の国のトップの飯を奪ってるって分かってるか?」
「そういう事言うか~?」
「あんた達、いい加減にしなさいよ」

 食い物を奪い合うカガリとトールに朝から馬鹿やってるんじゃないとフレイが白い眼をして窘める。その隣でアスランが自分で4杯目を取っていた。
 

 朝食を終えた4人は早速出立の準備に入った。アスランとトールが荷物を分けて背中に担ぎ、カガリが野営の後を念入りに消している。そしてフレイはイングリッドの包帯を取り換えていた。
 抵抗もせずフレイの手当てを受けているイングリッドは不思議そうにフレイに問いかけた。

「あの、どうして私にここまでしてくれるのです。聞きたい事はもう聞いたのでしょうから、私は用済みなのでは?」
「いや、聞きたい事聞いたら用済みって、怪我人をこんな所に放り出せないわよ。何処か安全なところまで一緒に行きましょ」

 私たちはそこまで薄情でも人でなしでも無いわよというフレイに、イングリッドは戸惑いを浮かべていた。どう反応したら良いのか分からないという顔をしている。

 イングリッドの包帯を取り換えると、近くの戦場跡に移動した。昨日の件でイングリッドはアスランを警戒するようになったのか露骨に距離を取っていて、その反応にアスランが情けない顔であれは誤解なんだと言っているが、イングリッドの警戒が解ける様子は無かった。
 そこで5人で使えそうな装備を探し、とにかく動きやすい服装に変える必要がある。だが戦場で転がっているのは当然ながら死体であり、血まみれの服などばかりで残念ながら着れそうな服は少なかった。カガリとフレイはそこでサイズの合うブーツを入手し、イングリッドもパイロットスーツを捨ててとにかく着れる服を見つけ出して身に纏っている。そのせいで5人とも歪な野戦服のような姿になってしまったが、事務所用の軍装や執務用の服装に比べれば余程動きやすい。
 とりあえず着替えを手に入れた5人は動く車両を探すことにし、ほどなくしてトールが使えそうなオフロード車を見つけることができた。破壊されたのではなく至近弾を受けて横倒しになり乗員が脱出した車両のようだ。
 5人は車両を押して正しい向きに倒すと急いで動くかを確認した。エンジンがかかるのを確認した5人はパンクしたタイヤの交換と燃料の確保のためにほかの車両を探し回り、必要な物を入手すると急いでこの場を離れることにした。先日のイングリットの話では彼女はコンパスという平和維持機構軍と交戦して敗北したようで、そうなればそのコンパスとやらが残党を狩りだすために捜索を行っている可能性は十分に考えられるからだ。
 トールの運転で車を発進させた5人。その車両の中でアスランが車内で地図を見つけてここは何処かと考えていて、時折目印のような物を見つけてはイングリッドに問いかけて彼女の回答をもとに位置を絞り込んでいく。その結果導き出されたのはここがイングリッドが言っていたファウンデーション王国の外れあたりだという事だった。

「ファウンデーション王国ね、ここの何処かに街なんかは無いのか?」

 アスランの何気ない問いかけにイングリッドは悲しそうに俯いた。どうしたのかと4人は思ったがイングリッドは何も言わず、アスランの質問に答えてくれる。

「ファウンデーション王国内でまともな街を見つけるのは難しいと思います。首都は既に核爆発で消滅していますし」
「首都が核で吹き飛んだって……」

 君の故郷の首都が吹き飛ばされたというのかとアスランは絶句し、フレイとカガリは顔を見合わせトールも前を見ているが言葉が出ないようだ。4人はコンパス側の核攻撃だと思っていたが、実際はファウンデーションが自国を吹き飛ばした結果である。だがそんなことは想像も出来なかった4人はコンパスってのはどういう組織なんだと思っていたが、4人の思考を読んだイングリッドはますます表情を暗くしてしまった。この4人がそう思うのは当たり前だ、誰が自国を核攻撃するなどと思うだろう。
 アコードの使命には疑いを持ったことは余り無かったがどうしても耐えがたい事は何度もあった。あの攻撃もその一つで、今まで必死に作ってきた国を自分で吹き飛ばしたことは自分の心を酷く?き乱したのだ。

 首都は既に核攻撃で焼失し、他には大きな街と呼べるような場所は無いと聞かされた4人は仕方なく王国を出てほかの国を目指すべきかと思ったが、問題は国境を越えられるかだ。この問題に対してはイングリッドはユーラシア連邦も首都を含む大都市を多く失っているので事実上崩壊していると言い、それを聞かされた4人はまたかという顔で呆れてしまった。この世界は本当にどうなっているんだ。

「いっそのこと、遠いけど北欧のスカンジナビア王国でも目指すか。流石にあそこはまだ無事だろ」
「そうですね、スカンジナビアはまだ機能しているはずです。とは言ってもここから車では遠いですよ」
「他に当てが無いからなあ。スカンジナビアに身を伏せているのが一番良さそうだ」

 カガリが他に行き先が無いと言い、フレイがスカンジナビアは景色が奇麗なのよねと昔に観光に行ったかのような事を言う。それを聞いたアスランが観光も良いかなと言い、トールも賛同した。久々に4人の顔に明るい色が戻ったが、それまで楽しそうにしていたフレイが何かに気付いたのか厳しい顔になって窓の外を見た。

「トール、どこかに車を隠して。上から見られないようなところによ」
「どうしたフレイ?」
「何か上空から探し回ってる。私たちを探してるとは思えないけど、もしかしたらがあるわ」

 フレイの返事を聞いてトールは分かったと言い、アスランにも頼んで、隠れられそうな場所を探し出した。そしてイングリッドがまだ鋭い視線を窓の外に向けているフレイに問いかける。

「フレイさん、一体何を見つけたんです。私には何も見えませんけど」
「ああ、こいつの場合は目で見つけたとは限らないんだ。何か感じ取るっていうのかな」

 イングリッドの疑問にカガリが代わりに答える。フレイに限らず彼女のような力を持つ人々は何故かこのような見えてもいないのに何かを感じ取ることがある。これに関しては全く説明できないのでカガリも曖昧に答えるしかない。
 だがイングリッドは驚いた顔でフレイを見ていた。アコードであるイングリッドは自分にもそのような周囲の気配を感知する力が備わっているのでカガリの言っていることが理解できたのだが、自分は感じ取れないような物をフレイは感じ取ったようだ。

 トールは見つけた森の中のスペースに車を入れ、上に樹木の屋根を見て車を止める。これで上からは見つけられないはずだと思った5人は車を降りて木陰から空を監視する。すると音もなく頭上をヘリのような機体が飛び去って行った。明らかに地上の捜索用の機体だ。何を探しているのだろうかと思ったが、そこで4人は同時にイングリッドを見た。その視線にイングリッドは小さく頷く。

「おそらく、私を探していると思います。私は最後の生き残りですから」
「たかがパイロット1人探すのにえらく物々しいな」

 通り過ぎて行った機体を見送ってカガリが返す。それにイングリッドは力なく首を横に振った。

「たかがパイロットをではありません、最後のアコードを探しているんです」
「アコード、なんだそれ?」

 聞いたことの無い言葉にカガリが首を傾げる。アスランも聞いた事が無いようで頭を左右に振っている。2人の反応に意外そうな顔でイングリッドは答えた。

「ええと、私たちアコードはコーディネイターの更なる上位として生み出された存在なんです。ディスティニープランにおいて社会を管理するのがその役目でした」

 イングリッドの話を聞いてカガリは少し考えて何か思い出した顔でアスランを見た。

「ディスティニープランって、確かプラントでやってる社会管理実験だったか?」
「デュランダル議長がプラントの1つでやってる試験的な社会管理システムですね。能力を元に向いた職業に人々を割り振って完全に管理された理想社会を作るって話だったはずです」
「ああ、そんな話だったな。まあプラント内だけでやる分には構わないかってことで地球連合も好きにやらせてるらしいが」

 アスランの答えにカガリがそうだったと頷いたが、いきなりトールに頭を叩かれて怒ってトールを睨みつけた。

「痛いな、何すんだトール!」
「馬鹿、お前らイングリッドさんの前で何言ってるか分かってるのか?」

 怒るカガリに小声で注意してきたトールに、カガリはアスランと顔を見合わせて不味いという顔になった。うっかり向こうの世界の事を気にせずに話してしまっていたのだ。
 何とか誤魔化さないといけないと思って2人で恐る恐るイングリッドを見る。だが彼女はまた驚愕に表情を歪めていて、心ここにあらずというようにフラフラしている。余りに危ないのでフレイが隣から支え、車のシートへと座らせた。どうしたのかと4人は心配して彼女の様子を伺うが、何か強いショックを受けているようで目の焦点が合っていない。これではしょうがないので4人は彼女を車に残し、改めて空を見た。すでにあの偵察機は姿が見えなくなっており、おそらく見つかってはいないのだろう。見つけていれば確認のために戻ってくるはずだからだ。

「どうするアスラン、移動するか?」
「いえ、まだうろついているでしょうし、今日はここに留まりましょう」
「そうだな、見つかったら面倒なことになる」

 頷き合うと2人はフレイとトールに今日はここで野営するぞと伝え、入り口にその辺から取ってきた枝などで偽装を施した。見つかっていないはずだが、万が一ということがあるからだ。
 隠れ家の偽装を終えたカガリとアスランにフレイが携帯食料を差し出す。それを受け取った2人がフレイとトールに向き合うように腰を降ろし、さっきイングリッドから聞いた話を語り合った。

「アコードって言っていたな、誰か聞いたことはあるか?」
「少なくとも私はありませんね、プラントで計画されたものでは無いと思います」

 カガリの問いにアスランはうちではないと答える。そして視線をフレイに移すと、フレイも頭を左右に振った。

「残念だけど、私も聞いたことが無いわ。イタラおじいちゃんからも聞いたことが無い」
「イタラからもか。キラの最高のコーディネイターとかいう話とは違うのかな?」
「多分ね。おじいちゃんは最高のコーディネイターはあくまでジョージ・グレンを完全に再現したものだって言ってたから」
「つまり、全く情報無しってことか」

 やれやれとカガリは言った。コーディネイターの上位個体とか言われてもこっちには何の話だか見当もつかないのだ。
 悩む3人に向けてトールが彼なりの見解を述べた。

「もしかして、俺たちの世界には居ないんじゃないかな」
「居ないって、どういうことだトール?」
「そのままの意味だよ。違う世界なんだから当然違う部分があるはずだろ。俺たちの方ではそのアコードってのは作られなかったんじゃないかな」

 トールの言葉にアスランはなるほどと頷いた。非常によく似た世界だからこちらでも生まれていると思っていたが、確かに居ない可能性もある。

「……今は悩んでも仕方が無いな、無事に戻れたら調査してみることにしよう。何も見つからなければそれで良いんだし」
「そうですね、何も見つからなければ」
 
 見つからなければ良いなあと思うカガリとアスランであったが、こういう悪いことは大抵嫌な方向に進むのだということ2人はこれまでの人生で骨身に染みて思い知らされていた。
 今日はここで休息だと決めて野営の準備のために4人が動き回っていると、ようやく我に返ったようでイングリッドがヨロヨロとしながら車から降りてきた。
 
「申し訳ありません、取り乱したところをお見せしまして」
「いや、それは気にしなくていいんだが、本当に大丈夫か?」
「ええ、少々ショックを受けてしまいまして」

 カガリの問いにイングリッドはまだ様子が怪しかったが受け答えはしっかりしていたのでカガリもそれ以上詮索はしなかった。ただカガリは先ほどの話のどこにそんなに驚くような要素があったのかと考えて、思い当たることを口の中で呟いた。

「ディスティニープランか、デュランダルの事だろうなあ。こっちで騒動の元にでもなってたのかな?」

 何があったのかは知らないが、向こうに帰ったらこれも調べておいた方がいいかとカガリは思った。本当に迷惑な事である。




ジム改 本格的に移動を開始したぞ。
カガリ まずはスカンジナビア王国を目指すのか。
ジム改 無事に届けばいいんだがな。
カガリ 見つかってシンたちが降ってきたら面倒だからなあ。
ジム改 流石に生身でMSには勝てないからな。来たら投降するしかない。
カガリ 投降したところでアスランを暴れさせればミレニアムを制圧できたりしないか?
ジム改 いや、流石に1人でそれは多分出来ない、と思う。
カガリ 絶対じゃないんだ。
ジム改 あいつだけ人間から大分踏み外してるからな、ビルの壁を駆け上がったりできるし。
カガリ しかしそろそろMSが出てこないとまずくないか、一応ガンダムだし。
ジム改 話の構成上MS無しでも進められないことはないんだがな。
カガリ 駄目だろそれは。
ジム改 まあマリューと合流できれば一応MSはあるが。
カガリ ウィンダムじゃディスティニーの相手は無理だろ。
ジム改 ゲルググやギャンの相手は出来るぞ。
カガリ あの辺の相手が出来てもなあ。
ジム改 何ならオプションも山盛りに出来るぞ。
カガリ そういや向こうの世界だと地球連合は無人兵器大量投入してたか。 


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